CENTRAL Photo Contest 2018 総評

タイトル2018-01

「ドイツが生んだ最高級インクジェット用紙/ハーネミューレ紙」は色と質感の再現性が高く、その写真表現力を多くの方に知って頂くことを目的とした写真公募展です。
作品が更に高いグレードに仕上がり、体感された全ての方が、また選ぶ素材。写真プリントのクオリティーにおいて、中部地区でプロからアマチュアカメラマンまで幅広く支持をいただいている弊社の技術とハーネミューレ紙のコラボレーションを是非実感してください。
厳選なる審査の結果、選出された受賞・入選作品作品展をセントラルアートギャラリーにて開催いたしました。

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受賞・入選 作品

HP2_阿阪友乃

グランプリ [BOY]

阿阪 友乃 様

【受賞者コメント】
阿阪友乃です。この度はグランプリに選んで頂きまして本当にありがとうございます。自分がグランプリを取るなんて本当に思っていなかったですし、自分の力だけで本当に取れなかったものだなっていうのを凄く感じています。
やっぱり日頃写真を教えて下さっている学校の先生方であったり、フォトグラファーになりたいっていう夢を応援してくれる両親の協力であったりとか、自分の作品をグランプリに選んで頂いた審査員の皆様だったり。
実は今回出すか出さないかっていうのを凄く悩んでいて、その時に出した方がいいよって背中を押してくださったセントラル画材の浅野さん、ジェットグラフの高橋さん、本当に皆様のおかげです。ありがとうございました。

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
ここ数年、ハイキーでソフトタッチな作品が流行っているなか、荒削りではあるものの、斬新な発想でパンチのある色使い、ライティングが、チカラ強いモデルの表情と相まって、素晴らしい作品になっています。それを是非個展の場でも表現していただきたいと思い、グランプリに選びました。

<川嶋 なぎさ 様>
なにより、新しい表現への挑戦する力を感じました。それも、ただ闇雲に斬新であれば良いということでなく、見る者がさまざまな想像を膨らまし、何かを読み取ろうとするであろう面白い作品だと思います。ほかの作品も見てみたいと、強く感じました。

<塚本 伸爾 様>
若者から大人へ 男の子から男へ 不安と希望 装う外見と内面を
上手く表しています。演出が成功しています。

<村上 心 様>
映像表現の可能性を、撮影表現のみならず被写体表現にまで展開した、意欲溢れる作品である。そのコンセプトに合致する細部の処理、被写体表現の拡がりなどを踏まえた今後の更なる発展に期待したい。

 


HP2_p_DSC1168

準グランプリ [Restore紅]

北川 マキ子 様

【受賞者コメント】
北川マキ子です。この度はありがとうございます。入賞された皆様もおめでとうございます。凄い力作ばかりでビックリしています。この中で選んで頂きまして本当に嬉しく思います。
「風景の中の人物」ということをずっと作品のテーマに3年くらい撮りたいといって、その内の1枚なのですが、この作品に特に意味は無いんです。意味が無い事をテーマにしているかもわかりません。
タイトルとか深いところは追求しないように、只々楽しむというその場の目に見えたものをすくい取る事が楽しい。という感じで続けております。以上です。ありがとうございました。

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
準グランプリも最後までグランプリ作品と競いました。水辺に赤い着物の女性。白い化粧の顔と水に伸ばした白い手が、美しくも妖しく表現され、よく観ると水に反射した表情が偶然なのか、また狙ったものなのかシュールな点が興味深い作品でした。

<川嶋 なぎさ 様>
構図、色のバランス、モデルのポーズ、世界観…、全てにおいてバランスがよく、とても完成度の高い作品だと感じました。ただ少し辛口なことを言うと、その完成度の高さ故に、新しいものを見たときの高揚感は少なく、準グランプリという結果になったと思います。今の表現テクニックの上にさらにオリジナリティーを発揮した新しい作品を楽しみにしています。

<塚本 伸爾 様>
静けさの中ですが女性の一瞬の時と其れを写す水面、それは過去から今、そして未来にと流れていく時を感じます。シンプルな色の中での紅がいいです。

<村上 心 様>
映像のネオクラシシズムとしての優れた作品である。確信犯的に古典を取り入れながらも、現代的な爽やかな風を感じる。

 


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審査員特別賞 [雪あかりの街]

近藤 正代 様

【受賞者コメント】
この度は皆様誠にありがとうございました。
普段仕事があってあまりどこにも出られなくて、それで今、自分の街をテーマに写真を撮っています。
今回の写真、家から撮影をしたんですね。街が違った表情を見せるところを狙って撮影をしました。
雪が降った荒子の街。雪が降っていつもとちょっと違う感じになったのです。
大抵はいつも撮影に失敗してしまいまして赤被りをしたりだとか黄色被りをしたりだとかして、いつも色で失敗をするんですけれども、今回ちょっと徹夜をして雪のバランスが良いところを狙って撮りました。
明け方、色が一瞬変わった時がありましてその時に撮ったのがこれです。ほんの数枚しか撮れなかったんですけど、その中で一番雪のバランスが良いものを選びました。
普段撮っている写真ですと、こういう黄色とかグレーの感じが全く出なく、色も被っているんですが、本当に気が付いたらもう朝、太陽が昇ってしまっていて、1日頑張った甲斐がありました。本当に皆様ありがとうございました。

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
しんしんと雪が降る街の夕暮れ(?)が作品になっています。積った雪に残されたタイヤの跡、薄暗い空にはゆっくりと落ちてくる雪。やや赤みを帯びた色調も嫌味がなく、単なる風景写真とはひと味違った雰囲気になっています。

<川嶋 なぎさ 様>
独特のトーンで表現された雪景色は、とても印象的でした。シンシンとかすかな音をたてながら雪が降り、日常の風景を非日常に変えていく様が、一枚の写真で見事に表現されていると思います。

<塚本 伸爾 様>
雪降りの夜を撮影され人住む街の温かさを上手くとらえています。
強い写真が多い中、優しい気持ちの持てる写真がいいです。

<村上 心 様>
絵画的な優しさに溢れる美しい空気感の作品である。左中央のビルの処理に工夫があれば、更に評価が高まったかもしれないが、別なシーンを写した作品をみてみたいと思わせる力を感じる。

 


HP2_Eyes_Panda_L

ジェットグラフ賞 [Eyes-Panda-]

松井 泰憲 様

【受賞者コメント】
受賞させて頂きました松井と申します。何を話そうかと考えていたのですが、
ちょっとみんなのパンダの認識が間違っているかなと思いました。
パンダは実は本当は可愛くないんですよ。(笑)
よく見なくてもおっさんみたいに見えるし、よく見てもちょっと鋭い顔をしている。
それをちょっと気付いてほしいなぁと思い、パンダを3日間くらいかけて撮りに行ったんです。
大体パンダって笹を食べているだけなので、食べているところしか撮れないんですけど、
3日間撮り続けて、パンダの本性を暴いたかなっていう1枚を撮れたかなと思っています。
これは白浜アドベンチャーワールドのパンダなんですね。上野動物園やったらこんな品は悪くないって言われて、あっそうかも。と思って。(笑)
関西だからかもしれないけど、こんなに目つきが悪いんだなっていう。でも実際は可愛いところもあるんですけど本当はパンダそんなに可愛くないです!以上です。

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
プリントの作り方が非常に上手く、ともすると黒く潰れてしまいがちなパンダの眼の表情と、不敵な笑いを浮かべた様な口元が良いシャッターチャンスで捉えられています。さすがです。

<川嶋 なぎさ 様>
これまでも動物をモノトーンで、また、まるでポートレートのように撮った作品は数々見てきました。その中で、この写真の魅力はなによりもこの眼。ドキッとした後に、クスッと笑いがこみ上げました。誰もが抱いているパンダのイメージをみごとに裏切り、ウイットに富んだ作品に仕上がっているところがとても印象に残りました。

<塚本 伸爾 様>
可愛い仕草のパンダの写真多い中、生きる動物としての一瞬を上手くとらえています。
目が多くを語っています。

<村上 心 様>
ロシアのイコンを鑑賞した際に似た、全体と細部のバランスの良さと緊張感を味わえる作品である。欲を言えば、危険で無謀な表現上の冒険があると、評価が更に高まったかもしれない。


入選

麻田 周史 様 ・ 鈴木 志信 様 ・ 福井 幸生 様

鳥居 厚志 様 ・ 伊東 昌信 様 ・ 奥田 祐 様

福島 敏夫 様 ・ 矢田 徳夫 様 ・ 加藤 禎之 様

西村 美佐 様 ・ 前田 光範 様 ・ 三輪 昇 様

小松 啓志 様 ・ 三浦 雄一 様 ・ 富士 斉勇 様

平松 ゆかり 様 ・ 小林 杏花 様 ・ 戸 航 様

伊藤 晃英 様 ・ 加藤 昭夫 様 ・ 酒月 皓 様

森 康次 様 ・ u___nn 様 ・ 岡 広樹 様

三田村 武 様 ・ 宗吉 洋介 様 ・ 藤成 美沙 様

朝木 健次郎 様 ・ 篠田 真理子 様 ・ 名嘉 元希 様

【総評】

<吉田 宗義 様>
今回で5回目となるこのコンテスト。
第一回から審査に加わり感じた事は、いわゆる王道の風景や、スナップ写真より、自由な発想の作品が多くなった気がします。それは若い人や 女性の応募が増えたからなのか、それとも撮影後すぐに確認できるデジカメに慣れてきて、失敗を恐れずに思い切った表現ができるようになったからだとおもいます。
ただ、全体にはレベルが高くなって来たものの、際立った作品が少なかったともいえると思います。

 

<川嶋 なぎさ 様>
このコンテストに集まる写真のレベルの高さは、毎年ブレることなく間違いないものになってきました。またそれは撮影技術のレベルだけではなく、テーマや内面性など含めたアートとしての作品性の高いものが増えていると感じています。
その中で少し気になったことがありました。それは、同じような作品(同一作品のバリエーションと思われる)を何枚か応募している方が結構いたということです。写真作品を作る上で、重要な作業の一つが写真のセレクトです。どれをチョイスするかはその作者のオリジナリティーであり、表現に大きく関わることです。たくさんの作品を見せていただくことはとても嬉しいですが、それぞれが、選び抜いた1枚であることを期待します。

 

<塚本 伸爾 様>
題材は様々、それぞれの作者が興味を持ち体感した事が作品になっています。
写真を観る事の楽しさ、作者の感じた事を共有できる喜びを感じます。
世の中には、いろんな出来事があり楽しい事や悲しい事、人や様々な生命が生き、四季があり天候が変わり美しい風景があり変わりゆく大地があります。
応募作品は写真として上手く仕上げられていますがおとなしい写真かなと思います。
写真から湧き上がる事や観ていて感じることが弱い。
それは作者の方が本当に感動して撮影しているので無く上手く写真を撮影しようと絵になる場所を探して写真的に良い画面を撮影しているからです。
動画でない写真、どの一瞬を撮影するかが大事です。
どの一瞬かは作者の方がどんな写真を撮影したいかをイメージできれば見えてくるものです。
作者の方が感動した事や発見と出会いを大事にしてカメラという道具を使いこなし見る側の感覚を刺激できたらいいですね。
今後コンテストへの応募の傾向を考えなく、感じる写真の沢山の応募を期待します。

 

<村上 心 様>
ターゲット、情景、表現、そして、作者の感情。実に様々な幅のある作品が集まった。それらの力作を、同列にして審査する過程は、苦しく愉しい時間であった。数に限りがある入賞者を決めざるを得なかったが、結果的に選に漏れた作品中にも、個人としては賞に値する作品が複数あったことを伝えておきたい。アートもデザインも、恐れず他者の評価をうけて価値が顕在化するものであるし、自らの成長がある。表現者の皆さまには、身近な方々へのプレゼンテーションを行うと共に、コンテストへの参加をお勧めする。また、継続してフォトコンテストを開催している主催者へ敬意を表すると共に、末長いこのコンテストの成長を祈念するものである。

 


CENTRAL Photo Contest 2018にご出品いただきました皆様へ

全国より多くの素晴らしい作品をこのコンテストにご出品いただきまして

スタッフ一同心よりお礼申し上げます。