CENTRAL Photo Contest 2016 総評

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「ドイツが生んだ最高級インクジェット用紙/ハーネミューレ紙」は色と質感の再現性が高く、その写真表現力を多くの方に知って頂くことを目的とした写真公募展です。
作品が更に高いグレードに仕上がり、体感された全ての方が、また選ぶ素材。写真プリントのクオリティーにおいて、中部地区でプロからアマチュアカメラマンまで幅広く支持をいただいている弊社の技術とハーネミューレ紙のコラボレーションを是非実感してください。
厳選なる審査の結果、選出された受賞・入選作品作品展をセントラルアートギャラリーにて開催いたしました。

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受賞・入選 作品

子宮の記憶/飯田聡子様

グランプリ [子宮の記憶]

飯田 聡子 様

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
アイディア、光、シンプルな構図がすばらしく、赤ちゃんの肌色にもこだわりを感じます。

<川嶋 なぎさ 様>
被写体の持つ元々の印象を、シンプルに、余分な物を削ぎ落とした表現により、さらに強く、神々しくも感じる印象に仕上げていると思います。多く語らずとも、理屈抜きにグッとくる作品だと思います。

<木村 一成 様>
見たとたんに引きこまれた。誰しもが共感するイメージを美しい光と色調で具現化している。
言葉を必要としないほどプリミティブな表現で、これ以上足すことも引くこともできない完全性がある。

<秦 義之 様>
一目で誰もの目を引き静かな世界に心地よく浸ることの出来る作品です。
僕自身子供写真館の監修をしていますので、審査の際初見で写真の上手いお母さん目線の写真なのかプロの仕業かという興味をもちました。
一瞬よぎった気持ちとしてはプロスポーツカメラマンが撮るスポーツ写真やプロライブカメラマンが撮るライブ写真など専門分野を深く勉強し優れた力のある人の撮る専門性のある作品をアマチュアが多く参加するコンテストで入賞にして良いのかと思ったのですが、飯田さんの作品はそのモヤモヤを吹き飛ばし写真が本来の持つ美しく愛おしいものを残すという点で強く印象に残りました。


夕暮れに光と灯す/横地孝典様

準グランプリ [夕暮れに光灯す]

横地 孝典 様

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
静かな空気の中、翌日の山行をイメージしながら、今日の疲れを癒している様子が、カラフルなテントの光から伝わって来ます。

<川嶋 なぎさ 様>
かつては天の領域であったとも思われる雲の上の頂、空は宇宙を感じさせるほど広がり、そして、人の気配を感じるテントの人工的な灯り。見る人がそれぞれに思いを馳せる事ができる、数ある山の写真の中でも特に印象的な作品でした。

<木村 一成 様>
とても異様な光景に感じた。天空に近い山岳において人の明かりがこうも連なる時代なのか。
人工の光が神々の世界に侵食していくようで、薄明のなか不気味な美しさを魅せる。

<秦 義之 様>
審査時A4だった作品をみてハーネミューレ紙で大きな作品で見てみたいと強く思う作品でした。
空と山の静かなブルーの色調の中にカラフルな暖かな光を発しているテントを見下ろす
構図は当然その時間その場所にいなければ撮れないものですが、
神様や鳥などの見れる景色のようにも見え神聖で新鮮でした。


アジアゾウ/羽田典子様

審査員特別賞 [アジアゾウ]

羽田 典子 様

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
柵の外という限られたアングルの中で、時間帯(ライティング)アジアゾウの位置、シャッターチャンスが見事にマッチした作品になっています。

<川嶋 なぎさ 様>
なによりも、この瞬間に出会い、シャッターを押した事が素晴らしいです。
しかし、これはただ偶然というわけではなく、重要なのは作者がこの象に対してどう思い向き合っていたか、ということでしょう。
この動きやフォルムをより印象的に見せる仕上げ方もとても良かったと思います。

<木村 一成 様>
作者の執着に感心するばかりだ。どれほどこの瞬間とこの光の一致を待ち望んだのだろう。
偶然だけで撮れるものではなく、完成度の高い画面構成の裏には、きっと膨大な待ち時間と的確な予測があるはずだ。

<秦 義之 様>
たまたま出会ってしまった被写体ではなく、
どう撮るかを先にしっかりイメージした撮る側の静かに被写体を見続ける強い意識を感じます。
力強い瞬間を撮っているのに力強さではなく寂しく伝わってくる象の存在感を写真にすることが出来た点が良かったと思います。


津島隆雄_黄昏

ジェットグラフ賞 [黄昏]

津島 隆雄 様

【審査員より】
<吉田 宗義 様>
山にかかった光、川の流れ、石の構図が素晴しく、さらに細部までトーンを意識して作られているのがわかります。

<川嶋 なぎさ 様>
山の峰にかかる陽のタイミング、その陽で白く光る水辺、絶妙な色調、コントラスト。全てにおいて完成度の高さを感じました。
作風は写真らしい表現でありながらも、銀塩では出来なかったトーンを作り出し、作者ならではの作品に仕上がっていると思います。

<木村 一成 様>
昨年のグランプリの作者と後から知ったが、今回も素晴らしい力量を示している。
陽が落ちる瞬間が絶妙の位置関係で捉えられ、モノトーンに変化していく時間帯の寂寥感に心がざわめく。

<秦 義之 様>
写真展会場で大きく出力されたこの作品は審査時の印象を遥かに超える魅力がありました。
ずっと長い時間観ていられる作品でした。
構図はもちろん光のこと水や岩場の質感よく考えられています、
撮ることとデータ現像など作品にすることへの意識の高さを感じます。


入選

大橋 正 様 ・ 吉田 信介 様 ・ 北川 マキ子 様

糟谷 いづみ 様 ・ 山口 恵子 様 ・ 近井 直行 様

稲垣 美衣 様 ・ u___nn 様 ・ 山田 充紀 様

 柴垣 敏雄 様 ・ たなべ こうじ 様 ・ 松下 淳子 様

交告 和愛 様 ・ 真光 一雅 様 ・ 堀川 志保 様

中島 繁昇 様 ・ 山村 まゆ子 様 ・ 加藤 昭夫 様

早川 幸子 様 ・ 高木 舞子 様 ・ 飯塚 元彦 様

速水 土岐文 様 ・ 浅野 博善 様 ・ 岡村 徹 様

平松 ゆかり 様 ・ 伊藤 玲奈 様 ・ 小島 瑛介 様

松田 マキコ 様 ・ 石崎 幸治 様

【総評】

<吉田 宗義 様>
写真を撮る時、皆さんはどのような事を考えて、撮っているのでしょう。
美しい、可愛い、すごいなど、ほとんどの作品が「誰かとこの感動を共有したい」という事ではないでしょうか。
つまり写真を観た人が、その場にいる様な錯覚(疑似体験)を起こさせる事が出来れば大成功です。
そこで重要になるポイントのひとつが仕上がりです。
たとえばプリントが良くなければ、せっかくの良い写真でも、感動が半減してしまいます。
コンテストに応募、壁に作品を飾る時、「自分の作品に気持ちを込めたい」なら、仕上がりに高いクオリティーを求める事が大切だと思います。

<川嶋 なぎさ 様>
昨年に引き続き審査をさせていただいた感想としては、今年も昨年同様にとてもハイレベルな作品が多かったと言うことです。
また、昨年は、応募作品全体を見ると必ずしもハイレベルな作品だけではなく、その幅は広かったのですが、今年は全体に高かったと思います。
写真のテーマ、表現方法、そしてプリントアウトにいたるまで、全てについてです。
これは、けっして「たまたま」の事ではなく、かなり意識の高い方やセンスの良い方々がこのコンテストに興味を持っていただいている、またそういった方々に周知されるコンテストになってきたのでは、と感じました。
しかしながら、必ずしもキャリアの長い熟練の方ばかりではなく、趣味として始められた初心者の方も沢山入選されました。
ここが写真の面白さ、素晴らしさでもあることも強く実感いたしました。

<木村 一成 様>
嬉しいことに写真を見る喜びを存分に感じられる審査であった。
音も言葉もない写真が、こうも饒舌に何かを伝えてくるのかと審査中ずっと思っていた。
前回よりも明らかに全体の質が高くなっており、応募されたみなさんの高い意識をひしひしと感じた。
これはセントラルフォトコンテストそのものの成長である。
ハーネミューレで出力された入賞・入選の写真たちは、いっそう魅力を増すはずである。
本当に素晴らしい作品に出会えて幸せです、有難うございます。

<秦 義之 様>
今回はじめて審査をさせて頂きましたがとても楽しく審査をさせてもらいました。
1枚で強く伝わる写真、ストーリーがある写真が多かったことが印象に残っています。
私は写真家でもありますがギャラリーを営んでもいます。
審査には複数回審査をされている写真家の優秀な先生がいらっしゃいましたので今回は
ギャラリーのディレクター目線も交え審査をしていきました。
作家性、オリジナリティ、インパクト、物語性の4点を大切に審査するようにしました。
ギャラリーのディレクターとしてはそこに少しの将来性を入れるかは迷いましたが
今回は一点で競うコンテストなので省いています。
多くの人の思いが詰まった多くの作品を選ぶということは楽しい反面、
その思いを受け止める大変な作業です。
審査が進むにつれ1枚の作品を作るのにどれだけの考えたか、時間を費やしたか、
その思いの大きいものが残っていったと思います。
その思いは行動にそして作品に現れます。
大切なものしっかり見て自分らしくオリジナリティのある撮影をしたか、
一番伝えたいことをしっかり伝えることが出来る作品を選べたか、
細部まで観る側を意識して丁寧にデータを作れたか、
そして最後に丁寧なプリントを作ることが出来たか。
ハーネミューレで大きく美しく出力された入選、入賞者の皆さんの展示は大変見応えがありました。
ぜひ次回も沢山のかたにチャレンジしてもらいたいと思います。


CENTRAL Photo Contest 2016 詳細

日時 / 2016年11月29日(火) ~ 12月4日(日)

時間 / 11:00 ~ 19:00 (最終日は17:00まで)

会場 / セントラル・アートギャラリー

名古屋市東区泉1-13-25 セントラル・アートビル4F

TEL 052 – 951 – 8998


CENTRAL Photo Contest 2016にご出品いただきました皆様へ

全国より多くの素晴らしい作品をこのコンテストにご出品いただきまして

スタッフ一同心よりお礼申し上げます。

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